Netflixは先日、公式サイトで大手メディアであるワーナー・ブラザース・ディスカバリーの買収に合意したことを明らかに。
その金額は約720億ドルで、Netflixは「ハリー・ポッター」、「DCユニバース」などワーナー制作の映像作品、HBO制作のドラマを配信することも発表。
世界最大級のストリーミング企業が、さらに巨大なコンテンツアーカイブを手に入れることになることに対しては、批判の声も多く、映画監督クリストファー・ノーランが会長を務める全米監督協会は「活気に満ちた競争的な業界こそが、監督とそのチームのキャリアと創作上の権利を守るために不可欠」と、懸念を表明。
全米脚本家組合も「雇用が失われ、賃金が押し下げられ、すべてのエンターテインメント業界で働く人々の労働条件が悪化してしまう」と声明を発表しています。
Netflixのワーナー買収に関しては、規制当局の承認プロセスを経る必要がありますが、この報道から数日後、事態を一変させたのはパラマウント・スカイダンス
パラマウントは以前からワーナーに対して高額の買収オファーを提示していたと報じられていましたが、新たにNetflixのオファーを上回る1084億ドル(全額現金)を提示。
NetflixはNetflixにとって有益なワーナーのコンテンツであるワーナーの映画スタジオ、テレビ制作部門、HBO を含むストリーミング事業のみの買収になる一方で、パラマウントは全てのワーナーの事業の買収を提案。
これにはワーナーのケーブルテレビ事業(CNN、TNTなど)が含まれ、両者のCEOが同意したNetflixとワーナーの友好的買収とは異なり、敵対的買収も辞さない構え。
経営陣の同意が得られない場合でも、株式公開買い付けで強行的に経営権の取得を目指しています。
さらに、パラマウントはホワイトハウスと連絡を取り、CNNを嫌っているとされているドナルド・トランプ大統領に対して、CNNの大幅改革を提案したとも報じられています。
2025年12月11日、そのドナルド・トランプ大統領はホワイトハウスでの会見でこの買収問題に触れ、「CNNは売却されるべき」と発言、さらに「現在CNNを運営している人々は腐敗しているか無能かのどちらかだ」と続け、現在のCNNを強く批判。
Netflixとパラマウントどちらに買収されるべきかは「今のCNNに運営を任せるべきではないと思う。どんな取引になっても、CNNが契約に含まれるか、あるいは別々に売却されるかが保証されるべき」と、明言を避けました。
パラマウントが提示したこの高額オファーは、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦(UAE)からの資金に加え、トランプ大統領の義理の息子であるジャレッド・クシュナー氏が設立した投資会社アフィニティ・パートナーズからの資金提供も受けています。
Netflixとパラマウントどちらに対しても独占禁止法の観点から審査が長引く可能性が高く、買収成立には1年以上かかる可能性も指摘されています。
2025年12月11日
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